メンヘラ日記

ファッションメンヘラ

第五百八十三話 歌が上手いという足枷

歌が上手いというものは、必ずしもプラスにはなりません。

先日、ラーゲリより愛を込めてという映画を観たんですが、かなり好きな映画でした。史実エピソードとして知ってる内容ではありましたが、人間讃歌的なストーリーが良くてかなり刺さりましたね。

 

しかし、Mrs.GREEN APPLEのエンディングテーマは個人的には余韻には合いませんでしたね。自分は決してMrs.GREEN APPLEのアンチではないのですが、なんというか、上手すぎる歌って上滑りすることがままあるんです。

Mrs.の歌唱ってボーカルの裏声が特徴的で、それを活かす歌づくりをしていると思うんですが、なんというかその作為が、良い映画を見てむき出しになった感受性には冷たく感じるんです。

 

それをよく感じるのが、若手技巧派歌手による中島みゆきのカバーです。中島みゆきってあんまりテレビの歌番組に出ないので若手歌手がカバーすることが紅白とかですらよくあると思うんですが、中島みゆきみたいなむき出しの歌を裏声を使って丁寧に歌いあげるのはなんか上滑りしていくんです。

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陶酔的な歌ってそういうものだと思います。自分は中島みゆきとか、amazarashiとか、結束バンドのギターと孤独と青い惑星みたいな曲を「陶酔曲」とラベリングして、自分に酔いたい時とか夜に聴くんですが、陶酔曲って丁寧に歌われると「良い歌」になってしまうんです。なんとうか、がなるような、裏返っちゃうような歌唱がいいんです。

 

次回 未定。