関心領域を観まして。

初手で断っておきますが、面白くはなかったです。
遠くのほうでたしかにホロコーストが起こってる描写があるのにそれに無関心で幸せな生活を送る家族をただ淡々と描くというもので、本当にほとんど何も起こらないんですよね。
まあ面白くないというだけで、意味のある映画だとは思いました。
まあ、映画というものがそういう問題提起に使われたり芸術作品としての側面があるのはわかりますが、そういうメッセージ性だけのっけて映画の娯楽っていう要素を全く無視してるのに多少の反発心はありますけど。
藤子・F・不二雄のSF短編で「ある日……」っていうのがあります。
同人制作の映像サークルの試写会で一人の男がただ街の日常を映して突然終わるという作品を上映して、
「これは何気ない日常が突然起こった核戦争で終わるのを描いてる」
っていう説明をします。
「伏線も説得力もない」っていう評に
「核戦争はいつ起こるか分からない。その『ある日』は伏線も説得力もなく唐突にやってくる」って熱弁して終わります。
その映画を2時間見させられた感じ。
本当の破壊とか理不尽っていうのはつまらないし劇的でもないみたいな感じなんですかね。
自分で見て自分の中でそういう感想にたどり着ければいいんですけど、現代は映画を見て自分以外の感想を全く見ないことは不可能です。
そうなると本当にダルくて説教臭い感想が流れてくるんですよ。
「これをつまらないと思ってしまう我々視聴者の感情こそホロコーストが起こってしまった市民感情で〜」
とか
「ある意味何よりも怖いホラー」
みたいなやつ。
こういう映画だと「俺はわかってる側」だっていうのをアピールする大喜利みたいな感想ばっかり流れてくるんですよ。
まあこういう何も起こらない系の映画ってたまに刺さるとすごく刺さるからその人たちにはめちゃくちゃ刺さったんでしょうね。
PERFECT DAYSもかなり何も起こらないけど、自分はめちゃくちゃ刺さったし、心底つまらなかった人もいるでしょう。
人の映画の感想にケチつけちゃいけんって話ですね。
ちなみに友達と見終わったあと虚無感の中カービィのゲームやったらハイスコア出ました。

じゃあいいか。
次回 未定