メンヘラ日記

ファッションメンヘラ

第二十九話 スティール・ボール・ラン

スティール・ボール・ランが好きです。

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長くて打つのが面倒なので以降7部と呼びます。7部は荒木飛呂彦氏の漫画作品、ジョジョの奇妙な冒険の第7部にあたります。でも7部はタイトルにジョジョの表記が存在せず、世界観も6部までと7部以降ではパラレル扱いであったり、7部の途中から今までの週刊少年ジャンプ本誌からウルトラジャンプにお引越ししたりと、ある意味異色でありターニングポイントとも言える部です。ここから荒木飛呂彦氏の絵も芸術的方向に一気に行った印象があります。

そういうターニングポイントの作品って賛否両論になったりしそうですが、7部はジョジョの中でも指折りの人気を誇ります。僕も2番目に好きです。じゃあ7部の魅力って何だろうと考えてみました。

 

まず一つとして、話に主軸があることです。7部のストーリーのメインはアメリカ大陸を馬で横断するレース、そのレースの名前がスティール・ボール・ランな訳です。主人公たちは道中的に襲われたりレース関係ないところでドンパチしたりもしますが、ちゃんと最後までレースに参加して、きちんと優勝を狙っています。バトル漫画なんかだとレースをフェードアウトしたり、レース編が終わったらその後関係ないバトル漫画に展開していくみたいなものもあるので、レースに始まり、レースに終わる7部に僕は魅力を覚えます。「予測不可能な展開」と言うのも魅力的ですが、一つの主軸があると話がまとまるんだと思います。6部とか8部が賛否両論なのもこういうところなんじゃないかなって何となく思います。8部は一体どうたたむのだろうかとハラハラしながら読んでます。

 

第二に、ジャイロの存在です。ジョジョシリーズは主人公の名前をどうにか略すとジョジョになるという様式美があります。遊戯王の主人公の名前に「ゆう」がついてるようなもんです。その流れを汲んで7部主人公はジョニィ=ジョースターという名前です。そしてジョニィの相棒がジャイロ=ツェペリです。ツェペリという名の人物は1部、2部とジョジョの師匠や相棒という位置付けであり、7部では師匠兼相棒みたいな位置付けです。しかしジャイロが今までのツェペリと違うのは、彼も主人公なんですよね。僕の妄想とかではなく、公式でも7部はジャイロとジョニィの2人が主人公という扱いをしていることが多いと思います。むしろ、ジョニィが過去のジョジョと比べて正義感あふれる無敵のヒーロー感が薄く、体に障害を持ち、それを負い目に感じているという異色の存在であるため、ジャイロの方が陽の主人公感あるんですよね。この2人でアメリカを旅していくっていう展開がすごく魅力なんだと思います。

 

最後に、能力のインフレからの脱却です。これはパラレルワールドにした1番の利点かもしれません。ジョジョのバトルはは大きく分けると1.2部の波紋、3部以降のスタンドバトルです。

1.2部は波紋と呼ばれる呼吸法で肉体を強化して戦う肉弾戦であり、3部以降とは大幅に異なるので説明を省きます。3部以降メインになってくるスタンドとは具現化した超能力です。ハンターハンターで言えば具現化系の念能力、文ストでいえば夜叉白雪みたいなものがイメージ近いです。能力バトル漫画とインフレは切っても切れない関係にあります。しかしまあ3〜6部は繋がってるのでそのインフレが続いていくわけです。3部の主人公がずっと強いし。7部はそのインフレをパラレルワールドに逃げたことで脱却しました。何がすごいって7部は銃がきちんと強いです。6部以前は銃の具現化や銃の能力強化こそあれ、普通の銃は基本的に戦力外です。主人公勢は弾丸指で止めるやつばっかりだし。7部は能力で相手を撹乱して銃でとどめみたいなファイトスタイル多いですね。馬と拳銃で西部劇みたい。楽しい。まあ終盤になると多少(?)インフレするけど。

 

7部は過去作ファンに嬉しいサービスも多いけど、事前情報ゼロでいきなり読んでも大丈夫なので「ジョジョって何部から読めばいい?」っていう人には「黙って一部から読め」と思いながら押し殺して7部を勧めることが多いです。

 

冒頭に7部は2番目に好きと言いましたが、一番好きなのは第2部、戦闘潮流です。2部好きは7部好きも多い印象があります。

 

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