メンヘラ日記

ファッションメンヘラ

第二十五話 自慰行為

自慰行為が好きです。思春期男子ですもの。

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まあもちろんひとりよがりだとかそういう比喩表現ではなく、性的な意味での自慰行為のお話です。ただまあここで僕が自慰行為に及ぶ手順などを事細かに書くのも変な話ですからどちらかというと自分なりの自慰行為に関する考えについて話します。それでもまあセンシティブな話題ではあるので少し服用して体に不調をきたした場合はすぐに服用を中断してかかりつけの医師に相談してください。

 

一般に自慰行為は恥と思われています。それはそうだと思います。突然街中で話題にするべきではないし、人前で行為に及んだら犯罪です。しかし、性というのは自我の中でも中核を形作っているものだと思います。Yahoo知恵袋では子供が自慰行為をしているのでやめさせたいといった保護者の相談を見かけます。あれは性に留まらず、子の人格に土足で踏み込む本当に危険な行動だと思います。そしてよく性交渉は体の会話に例えられるように、自慰行為というものは己との対話なんです。別に「乳首を刺激する奴は仕事ができない!」とかそういう話ではないんですけど、自慰行為をぞんざいにする人間というものは自分自身に、ひいては他人に優しくできないと思います。数ではなく、質の問題としてです。だから、自慰行為を恥だからといい加減にするのはどうか考え直して欲しい。

 

このネット社会では、5秒もあれば無料でアップロードされたポルノにたどり着くことができます。それで勃起してちゃちゃっと済ませて終わり。たしかにこのようなインスタントな自慰行為は性欲の解消という目的を果たすことができますが、こういう人は日常生活でも己をぞんざいに扱っているのではないかと不安になります。

ポルノは自慰行為においてよく「おかず」と称えられます。人によるとは思いますが、ネットを漁って適当に見つけた女性の裸体やavなどの視覚に直接的なポルノは醤油やソースをご飯にかけてかきこんでるのと一緒であることが多いです。もちろん味はするしお腹はいっぱいになりますけどそれを続けては体を壊してしまいます。たまには手の込んだ、栄養バランスのいいおかずをたべないといけません。ここで断っておくと、上記のポルノが栄養バランスのいいおかずである人もいっぱいいます。僕がそうではないので例で使わせていただきました。まあここまで食事に例えて話してわかりづらい人もいるかと思うのでより直接的な言い方をすると、体の勃起心の勃起は別物だということです。視覚的なポルノというのは体の勃起に対する働きかけは視覚に頼る人間には効果的です。しかし、心の勃起を待たずに済ませてしまう危うさが視覚ポルノにはあるのです。心の勃起なしにする自慰行為は人間性の欠如を意味します。体の勃起だけでなく、心の勃起に気を払ってください。チェンソーマン2巻で憧れのマキマさんが、女性の胸を揉むという夢を叶えたのに虚無感に襲われる主人公デンジに対し「エッチなことはね、相手のことを理解すればするほど気持ち良くなると私は思うんだ」というシーンがあります。マキマさんのいう相手の理解というのは冒頭で言った対話としての性交渉の話かもしれません。しかしこれは自慰行為についても同じことです。その過程を心の勃起と僕は呼んでいるわけです。

ただ相手が存在しない自慰行為において理解する相手は人によって違います。僕にとってはそのポルノに文脈を見出すことですが、例えばavを冒頭のインタビューを飛ばさずに見ること、例えば違法ポルノではなくお金を払って商品を買うこと、例えば視覚に頼らず文章をおかずにすること。自分にとっての心の勃起を見つけることが自慰行為の第一歩だと思います。心の勃起の基準もきっかけも人によって違うと思います。僕にとっては中学生の頃、両親は共働きだったのでテスト期間で午前中に帰れる日は帰りの電車の中から「今日は家に帰ったらオナニー三昧だな」とそわそわしていた時間。あの、性欲の解消ではなく、自慰行為を目的とした自慰行為。そしてそれを思ってワクワクする時間こそが僕にとっての心の勃起でした。

 

誰しも、最初の自慰は心も体もビンビンに勃起していたと思います。それが忙しさにもまれ、ネット社会にもまれ、インスタントなポルノによる体の勃起に頼った自慰行為をしてしまうようになるのです。どうか、初心に立ち返って心の勃起を探してみてください。これは恋人ができて自慰の必要がなくなってからも役にたつ基礎トレーニングです。どうか、貴方が心から勃起できる素敵な人間に出会えますように。

 

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